COVIDの慢性感染はありうるのか?

現在考えられているとのは違った慢性感染のパターンがありそう

 

海外や都市部と違いそれほど経験する訳ではありませんが、我々もそれなりにCOVIDを経験し、少ないからこそ丁寧に考察しました。シェアします。海外では2回感染というのが話題になっていますが、我々は持続感染を経験しました。

 

 

感染後100日以上経ってもPCRが陽性でした。

症状はほぼ治癒していたので、最初はウイルスの残骸を拾っているだけかと思ってたのですが、、、Ct値も高いし。

日にちで隔離解除して良いとWHOや厚労省は前から言っていました。たぶん、正しいのでしょうし、それで良かったのでしょうが、情報がない日本に入ってきたばかりのフェーズでPCRが陽性になり続けるパターンは社会的に方針に非常に迷いました。

 

 

医科研、感染研、熊本大などと協力し、ウイルス培養を行い、長期に生きているウイルスを同定しました。

同時に抗体も発現していたので、慢性感染とかキャリアって扱いになりますね。感染力はありませんでしたが。

そのような報告は我々の知る限りでは未だないと思います。

 

 

本症例報告のエッセンスは下記。

Our patient might be like other individuals (now known as “long-haulers”), who have reported chronic, ongoing symptoms of COVID-19 weeks or months after the initial diagnosis, but there have been no reported cases where SARS-CoV-2 continued to be isolated by viral culture. Some previous studies about COVID-19 suggest that recovery can be achieved only by completely clearing the virus from the body.(3, 4) However, COVID-19 has manifested in many unexpected forms throughout its short existence: infecting some individuals but leaving them asymptomatic, exacting a heavy death toll on the elderly population, and leaving some individuals, “the long-haulers,” with debilitating, long-term symptoms.

COVIDには、まだまだ分からないことがありそうです。

 

 

 

今は社会がCOVIDに慣れたように医療者もかなり対応に慣れたと思います。過剰に恐れず、適切に恐れることが出来ている気がしますね。

 

 

時間と疫学が方向性を示し、臨床家が上手に対応している間にそのうち基礎研究がパラダイムシフトを起こすのだと思います。

 

 

このPCR検査の陽性陰性問題は我々のクラスター対応でもかなり議論となりました。クラスター対応のケースシリーズはAcceptされたばかりですので、近いうちに紹介できればと思います。

 

 

ついにPhysician scientistが基礎研究に手を出してしまった。。。笑

 

原著論文:Toshikazu Abe, Terumasa Ikeda, Yasuharu Tokuda, Jumpei Ito, Yutaka Suzuki, Chisato Narahara, Hiroki Iriyama, Kei Sato

A patient infected with SARS-CoV-2 over 100 days

QJM: An International Journal of Medicine. in press, 2020

 

https://academic.oup.com/qjmed/advance-article/doi/10.1093/qjmed/hcaa296/5926116#.X4olDVtpB7Y.twitter