重症骨盤骨折の治療についてEmbolizationはMajorな治療選択肢になってきましたが、まだまだ日本以外の海外、特に米国ではEmbolizationのAvailabilityが低いこともあり直ぐにはEmbolizationできていない、可能であれば早くやった方が良いという報告がでてきてます。
バイタル不安定なら急ぐし早くやろうと思うのですが、バイタル安定していると気のゆるみが出て診断するための検査(CT)が遅れたり、そもそも安定してるならまあゆっくりEmbolizationの準備してやるんでいいでしょ、とか思ったりしませんか?そのゆるみ→死亡に繋がってますよ、という論文です。初期にバイタル安定しててもEmbolization必要かもと思ったら急ぎましょう。
文責:青木
メンターコメント
骨盤骨折のショックは遅れてやってくる。臨床上、よく感じることです。
後腹膜の狭い空間への出血がメインですので、出血の速度も開放腔への出血に比べ遅めなのかも知れません。
来院時、バイタルサインが安定しているからといって油断は禁物ですね。
出血は常に止血までの時間が命です。
阿部
原著論文:Aoki, M., Abe, T., Matsumoto, S. et al. Delayed embolization associated with increased mortality in pelvic fracture with hemodynamic stability at hospital arrival. World J Emerg Surg 16, 21 (2021).
https://doi.org/10.1186/s13017-021-00366-z